【読み:えびかにもん】
四方を海に囲まれた島国日本には、魚介類を独自に文様として意匠化したものも多いです。
川魚の鯉の文様は中国の影響が強く、また二尾の魚が向き合った「双魚(そうぎょ)文」は中国から伝わったもので魚の種類も日本人には特定できません。
江戸時代以降になるとエビ、カニ、タコ、ホラ貝やハマグリはじめ各種の貝と、ごく身近にあるものを文様とするようになります。エビやカニはその姿形の面白さから、浴衣などに大胆に取り入れられています。
また裏地として楽しむのに格好のモチーフだったようです。蟹の名がつく文様で「蟹牡丹文」がありますが、これは牡丹を、蟹がはさみを振りあげた形に意匠化したもので生物の蟹とは関わりはありません。