【読み:ゆきざらし】
雪が紫外線を反射することを利用して、晴れた日に雪上に麻織物や竹細工などを並べて漂白することを雪晒しといいます。新潟県小千谷市などで、江戸時代頃からおよそ800年にわたり行われている方法です。
強い紫外線が、溶けた雪から立ち上る水蒸気に当たると、化学反応でオゾンが発生し、オゾンの植物繊維を漂白する働きを利用したものです。雪晒しにより白地の白が冴え、染料の色が鮮やかになります。2月下旬から4月上旬頃の晴れた日に行われる雪晒しは、雪国越後の風物詩ともなっています。
雪晒しをすると黄ばみやしみが落ちるといい、一度仕立てた越後上布の着物も、汗や汚れを落とすために、雪上に戻ってきたりします。
反物の種類や汚れによって、晒しに要する日数は違いますが、雪晒しは約1週間行われるそうです。
ちょっと寄り道
越後の雪は...
雪中に糸となし、雪中に織り、雪水にそそぎ、雪上に晒す。雪ありて縮あり、されば越後縮は雪と人と気力相半ばして、名産の名あり。魚沼郡の雪は縮の親といふべし。(北越雪譜より)
というほど、越後の織物と雪は切っても切れない関係にあるといえます。雪が多いという気象条件、そのような気候で育まれる堅実な手作業の賜物で、美しく着心地の良い布地が誕生します。