【読み:つづれおり】
綴錦ともいい、古い歴史のある織物の技法で古代エジプトから中国で発達しています。
織り上がった生地の表面には緯糸だけがみえます。綴るように織りながら文様をみせていく織り方は、単純なようでも手織の精緻な美をみせるものです。生地は厚みがあり、張りのある質感です。
日本にその織り方が伝わったのは奈良時代といわれています。正倉院にあるものは唐風の綴錦です。中国の綴織りは刻糸とよび、宋、明(みん)、清(しん)各時代の綴は渡来品として珍重され、茶入れの仕覆などに仕立てられたものが残っています。西洋の中世の綴織りはタペストリーとして教会用、王室や貴族階級の室内装飾に用いられたものです。京都の祇園祭の山鉾、滋賀県長浜の山鉾の飾りなどに、桃山時代に輸入されたタペストリーをみることができます。