八重山上布とは

【読み:やえやまじょうふ】

沖縄県八重山地方、石垣島で生産される麻織物です。八重山上布は最も古くから織られていたといわれ、琉球王府時代には御用布(貢布)として八重山諸島一帯に課税されていました。琉球からの貢納品であった八重山上布は、薩摩藩が販売していたため、薩摩上布と呼ばれた時期もあります。

八重山上布はイラクサ科の苧麻という草の繊維を手紡ぎして織ります。赤茶色の植物染料で、絣模様を摺り込み染めしています。 島が近い宮古上布が紺色ベースの紺上布であるのに対して、八重山上布は白地です。越後では雪晒しして漂白しますが、八重山では織り上げた布を海にさらして漂白します。八重山上布は軽く涼しい布で、さらさらの肌触りが夏向きの素材といえます。

八重山上布の図柄は、琉球王府からの「御絵図(みえず)」という、王府専属のデザイナーによる琉球絣の図案集が元になっています。図柄は、自然や自然現象を文様化したもの、動物や植物を文様化したもの、器物を文様化したものなどがあります。

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