東京小紋とは

【読み:とうきょうこもん】

「東京小紋(東京染小紋)」とは、東京で染められている型染め小紋の総称です。昭和51年に、通産省(現・経済産業省)から伝統的工芸品に指定されました。
その中の代表的なものには、「東京おしゃれ小紋」と「江戸小紋」があります。どちらも京都で創案された写し糊(色糊)の技法で染められます。江戸小紋は一色染め、東京おしゃれ小紋も色数を抑えたシックな染めで、縞、格子、市松、花などの伝統的な柄を基本とします。小紋は基本的にお洒落着として用いられますが、武士の裃に起源を持つ江戸小紋は別格で、紋をつけることで準礼装にもなります。
細かい繰り返し模様ですが、長板中形と同じように、長い板と型紙を使って染めます。江戸小紋に使う型紙は、伊勢(現在の三重県鈴鹿市白子・江島・寺家地区)でつくられている伊勢型紙です。柄は数千種あり、裃に用いられていた柄は、武家ごとに定められていたため「留柄」ともいい、代表的なものに、鮫、行儀、角通しがあります。この3つを「江戸小紋三役」といいます。
江戸小紋という名称は、昭和30年小紋染の技術継承者小宮康助を重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するとき、ほかの小紋と区別するために名づけられたものです。

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