【読み:くるめがすり】
福岡県久留米市とその周辺で織られている木綿織物です。久留米絣は、伊予絣、備後絣と並んで日本三大絣のひとつとされます。
江戸時代後期に当時12歳だった井上伝という女性が衣服の表面についていた斑点に興味を持ち、それをヒントにかすれた感じの柄を表現する織物を考案したといいます。井上伝はこれを「加寿利(かすり)」と名づけたそうです。その後、優秀な機織だった牛島ノシ、大塚太蔵という後継者によって絣の柄や技術が進歩を遂げ、大柄、小柄、絵絣の揃った久留米絣が確立されました。
久留米絣は木綿の藍染めを基本とする織物で、括り、染め、織りなど30以上にも及ぶ工程で作られます。絵糸書、手くくり、藍染、手織りという工程を経て織られる久留米絣は、木綿ながらしわになりにくく、しわが取れやすい高性能な木綿の着物といわれています。 久留米絣は昭和32年(1957年)に重要無形文化財の指定を受けています。