【読み:くろはちじょう】
八丈島特産の絹織物である黄八丈のひとつで、黒色が主体のものを黒八丈といいます。 黒八丈は、ブナ科のスダジイ、イタジイ(八丈島では「しい」と呼ばれます)の樹皮を採り、乾燥させて染めに使います。これも樹齢30年以上の木から採れるものがよいとされ、さらに採取した樹皮は乾燥させて3年間寝かせてから使うものがよいといいます。草木染の後、鉄分を含む沼で1週間泥染めをする、とても手間のかかる貴重な染物です。
また、東京都の五日市で生産される、黒八丈もあります。経糸に対して緯糸がやや太く、黒色無地の厚手の丈夫な絹布で、丹前や袢纏などの袖口布や掛襟に用いられました。武蔵五日市付近で織られていたことから、五日市ともいいます。