伊勢崎絣とは

【読み:いせさきがすり】

群馬県伊勢崎市で織られている絹織物です。伊勢崎絣には括り絣(くくりかすり)、板締め絣(いたじめがすり)、併用絣(へいようかすり)、緯総絣(よこそうかすり)の4つの技法があります。

括り絣は、最も古くからある技法で、十字絣や井桁絣、水玉絣などの単純な柄から緻密なものまで表現が可能です。 板締め絣は、模様を刻んだ板で、糸を挟んで染色します。この糸を用いることで、細かな文様を織り出せます。 併用絣は、経糸緯糸それぞれを、型紙を用いて染色します。大胆な図柄や色彩の豊かな図柄を表現できます。 緯総絣は、緯糸にのみ絣糸を用いて織ります。色目の落ち着いた織り柄が表れます。

もともとは屑繭を用いて織っていた絹織物の「太織(ふとり)」にはじまる伊勢崎絣は、やがて手紬糸から撚糸を用いるようになり、生地の風合いが素朴なものからすっきりしたものに変わっていきました。それと共に表される絣模様の豊かさ、自由で大胆な図柄が好まれ、明治の半頃には「伊勢崎銘仙」として有名になりました。古典的な柄、伝統的な模様の他にも、曲線で描かれた絵のような柄、カラフルでモダンな図案など、さまざまなものが生産されました。 伊勢崎絣は、先染め糸の織物である丈夫さや色持ちのよさなどから、親しみやすい普段の着物として、現在も愛用されています。

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