【読み:ばしょうふ】
沖縄を代表する織物のひとつで、バショウ科の多年草である糸芭蕉から採れる繊維で織った布です。糸芭蕉から繊維を取り出して細く裂いたものをつないで糸にし、絣くくりをして染色した後、高機(たかばた)で織ります。芭蕉布は繊維が堅く丈夫で、軽くて風通しがよく、張りがあるため肌に張り付かないため夏の衣服に用いられます。 沖縄県と奄美諸島の特産品で、沖縄県大宜味村喜如嘉の芭蕉布が国の重要無形文化財に指定されています。この地域は亜熱帯気候であるため、芭蕉布は高温多湿に耐えられる最適な日常着として、用いられました。13世紀頃から芭蕉布は織られていたといい、交易や献上品、貢納品として重要な役割を果たしました。芭蕉布は、現在でも盛夏用の着物として、人気を博しています。