有田焼とは

【読み:ありたやき】

佐賀県有田町を中心に焼かれる磁器です。海が近く、港がある伊万里の地が出荷地であった為、特に海外では「伊万里」と呼ばれるようになりました。江戸時代の古い有田焼を古伊万里というのはこのためです。「古伊万里」は、柿右衛門・鍋島各系を除く幕末以前の有田焼すべてを含んでいます。
明治以降、輸送手段が船から鉄道等の陸上交通へ移るにつれ、有田地区の製品を「有田焼」、伊万里地区の製品を「伊万里焼」と区別するようになりました。有田を含む肥前磁器全般を指す名称としては「伊万里焼」が使用されています。
泉山陶石、天草陶石などを原料としていますが、磁器の種類によって使い分けています。作品は製造時期、様式などにより、初期伊万里、古九谷様式、柿右衛門様式、金襴手(きんらんで)などに大別されます。またこれらとは別系統の献上用の極上品のみを焼いた作品があり藩窯で鍋島藩のものを「鍋島様式」、皇室に納められたものを「禁裏様式」と呼んでいます。
江戸時代後期に各地で磁器生産が始まるまで、日本国内で唯一、長期にわたって磁器の生産を続けていました。1977年10月14日に経済産業大臣指定伝統工芸品に指定されました。

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