【読み:そうしきしゃしん】
いざというときにあわてないように事前に葬儀について考えておきたい、という人が増え、葬式写真への注目も高まっています。一昔前は写真撮影をする際、写される本人は告別者に別れを告げるのだからと、あまり笑顔にならないように注意し、撮る方も葬式写真という事を意識し、非常に厳粛な手つきでシャッターを押し、出来上がった写真はいかにも別れが哀しいという顔をしていました。
地方の古い織物組合などを訪ねると、先祖や先輩たちの遺影が鴨居の上に並べられており、写っている男性は必ず黒紋付を着ていますし、女性も黒留袖か黒紋付に手を通しています。告別式は人の世の別れの最大の儀式ですから「晴」の日なのです。集まる人たちはそれぞれの礼装で参会します。送られる本人も、よそゆき顔で「晴」の衣裳を身にまとうのがよいと思われます。
遺影写真を準備するのはやはり抵抗があるという人は、喜寿や米寿といったお祝い事や、家族の記念日を利用して撮影すると良いかもしれません。