【読み:おおみそか】
太陰太陽暦では十二月は三十日までしかありません。大晦日は一年の最後の日のことで、昔は「おおつごもり」と呼んでいました。太陽暦の二月上旬がこの日にあたります。 大晦日は歳神を迎える祭りであるのと同時に、亡き魂がやってきて、次の日の卯の刻に帰ります。それまで一緒に過ごしてあげて、淋しい魂をなぐさめてあげるのが、つごもりの儀式でした。どこの家庭でも夜更かしをして、明るくなりはじめると神社に初詣にでかけたり、初日の出を拝んだりしますが、これも朝七時までに行わないと本来の意味がなくなります。亡き魂を迎えるために燈明を灯し、道を明るくしておきます。夜通し火をたいている家もあります。大晦日から元旦にかけての「火」は生きている人と亡者とをつなぐかけはしの明かりで、暗闇にしてしまってはいけないのだそうです。こういう大事なお客様を迎えるために、きれいに大掃除をし、食べるものをきちんと誂え、衣服を取りかえ、着るものもこざっぱりとして身ぎれいにしておくことが礼儀といえます。大晦日の夜を除夜と呼びます。除夜に年越しそばを食べる習慣は江戸時代からあり、そば粉をお湯でとくと、たとえ下に落ちてもかき集められるので、お金をかき集める、幸せをかき集めるなどの縁起物として始まったものだいわれています。