【読み:おいろなおし】
披露宴で新婦が服装を改めることを「お色直し」といいます。 総模様の大振袖に丸帯を結びます。仕立て方の注意としては袘に綿を入れて裾に重量感を出します。生地は紋綸子か一越縮緬です。絞りの振袖にする場合は、総鹿の子絞りが正式で、それ以外のものはお色直しにはならないとされています。きものを二枚重るので、下着は白羽二重かきものの地色によく合う色の紋綸子か羽二重です。白から色ものになるというのがお色直しであるならば、打掛を脱いだ後、帯だけを取り換えたりすることも十分目的にかなっていると思われます。また白の打掛の次に、色打掛を着て、それをお色直しとする方法もあります。 長襦袢は、白羽二重、白紋綸子、または朱色や淡い色を着る場合が多いようです。半衿は白の塩瀬羽二重、または白地に白や金銀で吉祥文様を刺繍したもの、帯は丸帯が姿を格調高く華やかに見せてくれますが、袋帯でもかまいません。しかしよほど華やかな柄のものを合わせないと、きものと帯とのバランスがくずれます。 筥迫、抱え帯はきものの地色に調和するものを選びますが、帯揚げはどんな場合も赤が一番似合うようですし、また格調高くなります。 帯じめは白羽二重、赤羽二重または金襴の丸ぐけです。組紐を使う人もいますが、花嫁は他の若い女性との区別をつけるためにも、正式なものを選ぶとよいと思われます。 草履は打掛のときと同じものをそのまま履いても良いですが、金、銀で織り上げた布製の草履をきものに合わせて履く人が多いようです。